卒業論文アーカイブ

鶴岡市における再生可能エネルギー導入シナリオ

  • 年度
  • 平成24年度
  • 氏名
  • 佐藤 萌
  • 指導教員
  • 家串
  • キーワード
  • 自然エネルギー
  • 概要
  • 本論文では、地方自治体が再生可能エネルギーのポテンシャルを活用するシナリオを描くことを目的とした。シナリオを描く際の論点として、次の2点に注目した。「どのような導入の道筋をたどるべきか」という導入の推移と、「地域の資源として活用するためにはどうすべきか」という導入の際の仕組みについてだ。調査対象地は山形県鶴岡市とした。面積が広く、エネルギー源の種類やポテンシャルが豊富に存在するためだ。鶴岡市の再生可能エネルギー利用可能量は、風力や木質バイオマス、太陽光が多い。特に太陽光や風力は固定価格買取制度の対象という注目すべき点もある。しかし風力は環境や景観への影響などの問題があるため十分な調整が必要であり、早期の導入は難しい。木質バイオマスに関しても、人員や手間がかかるため導入には時間を要する。一方、太陽光は家庭での導入も可能なため、早期の導入促進が可能だ。これをもとにシナリオを描くと、初期は太陽光、後半は風力や木質バイオマスの導入を促進するものとなる。ただし、導入する仕組みにも注意しなければならない。大規模ソーラーや風力の導入の際には、資源が地域外へ流出してしまう可能性がある。再生可能エネルギーを自治体の資源と考え、自治体に利益がある流れを作ることができれば、活性化にもつながる。その仕組み作りのためには、市民と自治体が協力することや、各エネルギー部門間での協力などが必要だ。そして将来的に、鶴岡市のポテンシャルすべてを活用した場合、エネルギー消費量の45%を賄うことが可能だ。これは今後の技術開発や政策などにより向上することもあるだろう。

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