卒業論文アーカイブ

農政変動下における農業者の動向―遊佐町を事例として―

  • 年度
  • 平成26年度
  • 氏名
  • 菊池 祐佳
  • 指導教員
  • 小沢
  • キーワード
  • 農業経営
  • 概要
  • 日本の農業が大きな転換期を迎える中で、農業の持つ多面的な価値を理解し、持続可能なものとするためには、実際の農業者がどのような問題を抱え、どのような現状にあり、また今後の展望をどのように考えているのかを明らかにする必要がある。そこで山形県遊佐町の5つの集落にアンケート調査を実施し、現在の状況と将来展望、生産調整、規模拡大、農地集積、作業受委託、新規作物の導入、環境保全型農業、市場開拓などの意向を明らかにした。世帯主の就農状況についての調査結果では、世帯主が農業のみに従事している割合が最も高く、農業を主としている場合と合わせると半数以上であった。しかし、世帯主全体の平均年齢が65歳であるのに対して、農業のみに従事している場合の平均年齢は69歳と高齢化が進んでいるのがわかった。また、おおむね5年先までの将来の経営規模をどうするかについての調査では、現状維持という回答が最も多く、次いで分からないという回答が多かった。現状維持、縮小する、わからないという回答の理由としては後継者がいない、高齢化のため、労働力に余裕がないからという意見が多く挙げられた。後継者がいない場合、将来どのようにする予定か、という問には集落内の誰かに任せたいという意見が最も多く、他出している子供が戻ってくる予定や集落外の誰かに任せたいという意見は少なかった。農業に従事している場合の年齢構成をみると65歳以上が42%(15人)、40代以下が8%(3人)であり、世代間のバランスが崩れた状態となっている。今後、高齢農業者のリタイアが増加すると見込まれることから、将来における遊佐町の農業を支える人材となる青年層の就農者を確保し、定着を図ることが課題である。

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