卒業論文アーカイブ

直売所参加が農家の意識変化に与える影響〜鶴岡地域の直売所を対象として〜

  • 年度
  • 平成28年度
  • 氏名
  • 後藤 瑞貴
  • 指導教員
  • 藤科
  • キーワード
  • 地産地消
  • 概要
  • 農産物を取り巻く環境の変化が農業経営を圧迫する中、農産物直売所の売上金額は増加しており、 農業振興の切り札とされている。しかし、近年、直売所間競争が激しくなっており、直売所にも様々 な工夫が求められるようになっている。直売所は農家が多くを担っていることや消費者と交流でき ることから、直売所に参加することは農家に様々な影響を与えていると思われる。本稿では、鶴岡 地域の直売所の現状と課題を把握し、直売所参加が会員農家にどのような影響を与えているのかを 明らかにする。調査対象とした、しゃきっと、産直あぐり、産直あさひ・グー、産直館、産直こま ぎでの聞き取り調査から、売上金額はしゃきっと、産直あぐり、産直あさひ・グー、産直館で増加 しており、会員数は産直あぐり、産直館、産直こまぎで増加している。また、会員農家の高齢化と 新たな農家の確保、商品数の不足が課題として挙げられていた。会員農家へのアンケート調査では 農家の意識変化を調査するため、設立から時間の経過したしゃきっとの会員農家(配布:30部、回収: 13部)、産直あぐりの会員農家(配布:41部、回収:15部)、産直あさひ・グーの会員農家(配布:15部、 回収:8部)へ行い、合計36部を回収した。調査結果から、若い会員農家よりも高齢の会員農家の方 が全出荷先に対する直売所への出荷割合が高いことが明らかとなった。また、生産量は会員農家36 名中30名で増加し、5名で変化なし、1名で減少していた。経営耕地面積はしゃきっとでは13名中10 名で増加している会員農家が多いが、産直あぐりでは15名中4名で増加し、産直あさひ・グーでは8 名中1名で増加と少ない。さらに直売所参加後の意識変化では、販売の楽しさと売れる喜びに関して 調査した会員農家全員が向上したと答えている。収入の増加と生産意識では35名中34名が向上し、 人と話す機会の増加と農作業の楽しさでは35名中33名が向上したと答えている。

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