卒業論文アーカイブ

庄内地域における花き生産の現状と今後の展開

  • 年度
  • 平成24年度
  • 氏名
  • 菅原 萌
  • 指導教員
  • 藤科
  • キーワード
  • 農業経営
  • 概要
  • 日本の農家は米の減反政策や農産物の自由化等によって厳しい状況下におかれ、農業所得の減少に対処する為新たに切り花生産を行う農家が多数出現し、それは山形県庄内地域でも同様であった。庄内地域では、ほぼ全ての花き農家が共選共販組織に加入しており、過去にはストック生産で全国トップ産地となった。しかし現在は景気の停滞による花需要の減少で花きを取り巻く環境は厳しく、庄内地域も産出額が伸び悩んでいる状況にある。本論文では、庄内地域の花き生産の現状と課題を整理し、今後の展開を考察することを目的に庄内5農協とその花き部会員に聞き取り調査を行った。聞き取り調査の結果、各農協により栽培されているメイン品目はストック以外異なっており、品種の多い品目においては、あらかじめ品種ごとに栽培農家の割合を決め生産している農協や、統一した品質の作物を出荷する為定植の間隔や本数を統一している農協があり、市場評価を得る為農協単位ごと独自の戦略で市場へアプローチしていることが分かった。また、それぞれの農協が、一番近い産地となる互いの農協にライバル意識を持っているということも分かった。一方、全ての農協で課題として挙げられたのは、花き部会員の不足であり、特に後継者不足が懸念されていた。現在、系統共販産地は花き卸売市場の整備・統合とそれに伴う切り花流通の変化によって、少量出荷が敬遠されるようになりロットの確保が求められている。庄内地域には、5農協全ての花き部会が参加している「庄内花き生産連絡協議会」という生産者団体が存在しており、この協議会は全農が事務局を務めており年に数回交流会が行われている。今後は、この組織を中心に、現在の出荷体制を変え、ロット確保に対応すべく、各農協が垣根を越え連携し庄内地域を一元とした出荷が必要になるのではないかと考えられる。

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