卒業論文アーカイブ

市民参加型のマラソン大会におけるスポーツ・ツーリズム―酒田シティハーフマラソン大会を事例として―

  • 年度
  • 平成25年度
  • 氏名
  • 佐々木 優翔
  • 指導教員
  • 渡辺
  • キーワード
  • 都市農村交流
  • 概要
  • 近年のランニングブームを背景に、各地でマラソン大会が数多く開催されるようになってきている。笹川スポーツ財団の2012年の調べによると、成人のランニング人口が推計で過去最高の1009万人になったという。マラソン大会への参加者が増えていく中、マラソン大会を通して地域振興を図る自治体も増えてきた。地方色豊かな各地のマラソン大会には、観光を兼ねて参加するランナーも多く、スポーツ・ツーリズムの一つとして位置づけられるが、中には参加者を十分に確保できない例もみられる。大会開催者側はランナーの獲得に苦慮しており、より魅力的な大会運営を模索している状況である。このような背景のもと、本研究では、ランナーの大会選択における意識調査と大会前後の観光行動について検討することを目的とする。調査対象とする大会は、「酒田シティハーフマラソン大会」である。県外参加者の半数近い人が観光施設を訪れているため、県外参加者の増加は酒田市を訪れる観光客の増加につながると考えられる。また、酒田市以外の県内参加者においても観光地への立ち寄りが30%以上みられることから、大会に合わせキャンペーンのようなイベントを行うと利用者がより増加する可能性が示唆される。参加するマラソン大会を選ぶ上で重視している理由として、県外参加者の半数が「その土地に魅力があるから」と回答している。県外参加者の多くが宿泊を伴い、かつ観光行動もみられたことから、県外参加者の獲得は地域への経済効果を一定程度生み出すと考えられる。そのためには、県外参加者の多くがマラソン大会参加の動機としている「その土地に魅力がある」という点を運営側はより一層アピールしなければならない。

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