卒業論文アーカイブ

山形県における自動車交通のアクセシビリティ変化―1990年と2005年を比較して―

  • 年度
  • 平成24年度
  • 氏名
  • 野中 匠
  • 指導教員
  • 渡辺
  • キーワード
  • 都市問題
  • 概要
  • 山形県では周辺地域との交流促進や生活の利便性・安全性の向上を目的として、一般道路・高速道路の整備が進められている。この結果、山形県の高速道路は1990年から2005年にかけて大きく変化した。しかし、整備された交通ネットワークが、地域と地域をどの程度結びつけているのかといった点については検討が少ない。そこで、1990年から2005年にかけて新設された高速道路が、他地域へのアクセスの短縮にどの程度寄与しているのかということをアクセシビリティの算出によって検討した。アクセシビリティの算出の際には、道路交通センサスの1990年と2005年のデータを使い、ある1日の山形県内の乗用車・貨物車のトリップ数をまとめ、そこから計算式や時間短縮率・距離摩擦係数などを用いて、各アクセシビリティを求め比較した。その結果、距離摩擦係数は、1990年は全流動に対し、乗用車は1.204、貨物車は1.146となった。2005年は対象流動(21%を境に分けた)で、21%以下の区分では乗用車は2.245、貨物車は1.969となり、21%超過の区分では乗用車は1.996、貨物車は1.767となった。1990年・2005年ともに貨物車に比べ、乗用車の距離摩擦係数は高くなっている。これは、都市間を結ぶ道路のうち、高速道路がより高い割合を占めるほど距離摩擦係数は小さくなることを示すといえる。また、1990年から2005年にかけての山形県のポテンシャル・アクセシビリティは、乗用車が127%の増加率を示し、また貨物車は57%と減少した。乗用車は、モータリゼーションが促進され短いトリップ数が急増したため増加したと考えられる。また、貨物車の値が減少したのは、運搬の集約化が進んだことが大きく寄与していると考えられる。

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