卒業論文アーカイブ

地域におけるコンバージョンEVの普及要因と今後の展望に関する考察

  • 年度
  • 平成23年度
  • 氏名
  • 高田 矩行
  • 指導教員
  • 家串
  • キーワード
  • 自然エネルギー
  • 概要
  • 現在、車の排出ガス等による地球温暖化が問題となっている。そこで従来のガソリン車に比べて走行時の環境負荷が少ない電気自動車が注目されている。そのなかで既存のガソリン車を改造したコンバージョンEVと呼ばれる電気自動車があり、製作会社が増えてきている。本研究では企業がそのコンバージョンEVについてその製作事業にどのような目的を持って参入しているのか、また今後どのような活動を行なっていくのかについて、2011年よりコンバージョンEV製作に乗り出した山形オートリサイクルセンターとコンバージョンEV製作事業の普及を行なっているEVhondaへの聞き取り調査によって明らかにした。まず、山形オートリサイクルセンターが行なっている自動車リサイクル業の技術を生すことができること、同社は自動車リサイクル業を通して環境負荷軽減し、地域貢献を行うことを企業理念としており、コンバージョンEVによる環境負荷の軽減が企業理念と一致していることがわかった。同社が製作した1号機は、酒田市の企業展や、同社における酒田市内の学校の企業見学で展示され、環境負荷の軽減を行なっていることのアピールや、環境教育の題材として利用された。EVhondaは現状の鉛電池を用いたコンバージョンEVの性能では一般消費者に向けて広く販売していくことは困難と考え、性能向上を見込めるリチウム電池の価格が低下するであろう1、2年後に販売の拡大を検討している。現在は、製作技術の普及と製作業者同士の情報交換を盛んにするための活動を行っている。コンバージョンEVは性能が不十分と考えられつつも、環境負荷軽減のイメージが評価されている。今後は性能向上や利用方法の模索が求められると考える。

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